「で、とりあえずどこ行く?」
「とりあえずATMだね。」
「はぁ?なんだそれ。」
「お財布の中なんにもないんだもん。」
「そういうとこも相変わらずだな。」
それにしてもさすが平日の午前中。
空いてるね~。
学生は今テスト期間かな。
夏休み前だもんねー。
「あ、すぐそこにATMあるじゃーん。」
「でも美鈴はカード持ってんじゃん。」
「あれは社長のお金だもん。
今日は私のお金で買いたいものがあるの。」
「ふーん。」
「私たちも高校卒業すれば
クレジットカード持てるよねー?」
「じゃなきゃ困るわ。
あと少しだなー、現金いちいちおろすの
面倒だもんな。」
「ほんとだよ。
とくに大金必要なときね。」
そんな話をしつつ
お金を下ろす私。
普通、例え恋人でもATM操作の時は離れるのにね。
ま、全然かまわないけど。
どうせ見てないし。


