で、とりあえず一階に来たんだけど………
「こっち。」
いつもの正面玄関ではなく
なぜか裏口、駐車場の方の出入り口に連れていかれる。
「あっちは記者もいるしな。」
あぁ、なるほどね。
確かに。
………いや、でもこっちから出たとしても
駐車場の出口は正面玄関すぐ横。
あまり変わらない気もするけど。
「それに外を歩くのは暑くてきついし」
うん、そうだけど
それがなんなんだ。
「車でいこうかと思って。」
車で、うん。ん?
「えぇ!?車!?」
「そ、俺の。」
「え!いつの間に!」
「俺ももう18だしなー。
ここ、駐車場空いててよかったわ。」
「えー、ずるいー。
私も免許ほしい。」
「俺は暇だったし。
で、これ。」
「え、これ?
おっきいの乗るねぇ。」
私でもわかる。
真っ白なハリアー。
「基本的に貴也は白が好きなんだね。」
「なんで?」
「スープボトルも白だし。
うちに置いてあるスリッパも白だし。」
「あー、そういわれれば
自然と白を選んでるかもな。
はい、乗った乗った。」
そういって助手席のドアを開けてくれる貴也。
ほんと紳士。


