居場所をください。




「それより電話しねーの?」


「あぁ、するする。」


私は履歴から"長曽我部 ひかる"の名前を出し

発信ボタンを押す。


『プルルル……プルルル……

俺だけど。』


俺だけど。って。


「私。

電話まだ?」


『あぁ、悪い。

タイミング見計らってたんだけど

もう平気か?』


「うん。」


『貴也、明日から仕事復帰だから。

つっても仕事らしい仕事は明後日から。

明日は芸能活動復帰のための囲み取材だけ。

だからそのためにお前らに煽ってもらおうと思って。』


「煽る?」


『二人同時にブログ更新して。

二人の写メつきで、貴也が芸能界復活すること

本当は別れていなかったこととか。

今日はあと一時間で終わるから急げよ。』


「え、うん。わかった。」


『詳しい内容は二人に任せるから。

美鈴はツアーの事も書けよ。』


「ツアーのこと、貴也のことに加えて

昨日の隼也との事も書かなきゃだし

今日はめっちゃ長くなりそー!」


『打ち上げ不参加でよかったろ。

日付が変わる前にちゃんと更新しろよ。

二人同時更新だからな。

それだけ。

あ、ハルがあとでメールするってさ。』


「あぁ、わかった。

あとでじゃなくて今すぐメールしろって言っといて。」


『はいはい。

あ、そうだ。

今年美鈴、マンション更新だからな。

二人で住むなら広いところに

更新前に引っ越すことも考えてもいいからな。』


「広いとこねぇ…」


『まぁそれは二人次第だけど。

そんだけ。

じゃあまた明日な。』


「うん、じゃーね。」