それから私はまたかわいい笑顔を張り付けて
「先輩、ごちそうさまです。」
またおねだり。
「出たよ、それ。
友達なら割り勘だろ。」
「先輩ならおごりでしょ?」
「俺のこと先輩だと思ったことあんのかよ。」
「もちろん!
売れっ子隼也さんなら安いもんでしょー?」
「……はいはい、わかりました。
惚れた女には弱いんで、俺。」
「いつの話してんの。」
「忘れた。」
それから隼也にゴチになった私は
先に外へ出てタクシーを探した。
こんな時間に、サングラスをかけて。
変質者か、私は。
あ、タクシー来た。空。よかった。
「おい、美鈴。」
「あ、隼也。
タクシー拾ったとこ。」
「一人で出んなよ。
ナンパされたらどうすんだよ。」
「最近は全くされなくなりました。
はい、乗って乗って。」


