「たぶん気づいていながら
気づいていないふりをしてる。
あの人はなんでも知ってるもん。」
「……でもなんで気づいていないふり?」
「そんなひどい人じゃないから。
本当はタレントのプライベートまで
口出しなんかしたくないんだよ。」
「でも、そのわりに美鈴ちゃんには厳しいよね?」
「それは仕事とは関係ないよ。
私の健康を気にするのだって
たぶん仕事じゃなくて、血縁者だから。
そういう人だよ。
私と貴也のことだって
二人で会うなって言ってたくせに
自分の部屋で私たちを二人きりにしたり。
長曽我部さんはちゃんとわかってる。
自分達のせいで犠牲にしてる人がいるって。
だから長曽我部さんなりに
犠牲にしないように、自分なりに
みんなを守ってるよ。」
「……やっぱり美鈴ちゃんは詳しいね。」
「長曽我部さんは素直じゃないから。
私にそっくり。」
「はは、それはそうだね。」


