居場所をください。




佐々木さんがいて、長曽我部さんがいて、

ハルがいて、私の楽屋はいつにも増して

賑やかだった。


「はい、完成。

リップはあとで自分で塗る?」


「うん。

直前に塗る。

まだこれ飲んでるしね。」


「じゃあ置いとくね。

私、向こうの部屋で衣装の整理あるし行くね。

またあとでね。頑張って!」


「うん、ありがとー!」


佐々木さんは大きな荷物をもって

私の部屋からいなくなった。


「あと一時間か、会場始まった?」


「あぁ、そろそろだな。」


「ってかこんな早く準備終わっちゃって

ちょっと暇じゃん。」


「だからそのためにハルがいるんだろ。

俺佐藤と外行ってくるからおとなしくハルと喋ってろ。

あ、ケータリングあっちにあるから

先に食っとけよ!」


「はいはーい。」


長曽我部さんはそれだけいって

さっさといってしまった。


「じゃあ食べに行きますか~。」


「今日お寿司とかわたあめとかあったよ。」


「わたあめ?なにそれ。

自分で作るの?」


「そうそう。

さっき亜美ちゃんが喜んでやってた。」


「はは、楽しそう。

早くいこ。」