居場所をください。




コンコン…

「美鈴、俺。」


「どうぞー。」


そこに長曽我部さんが来た。


「ほらよ、紅茶。」


「あ、ありがとー。

これすっごい落ち着く。」


それはあのオーストラリアのお土産。

眠れないときや緊張してるときは

いつもこれに落ち着かせてもらう。


「あ、そうだ。

私ツアー終わったらエクステとりたいんだよね。

明後日美容院入れといてよ。」


「え、明後日?

いや、もっと先にしろよ。

来週とか。」


「え?なんで?」


「そんな急に予約とれないかもだし。

まぁ来週にしとけ。」


「ふーん、わかった。」


「つーかさ、明後日どこでやるわけ?」


「あ、たっつんのお兄さんのお店。

たっつんに頼んで貸しきりにしてもらったの。

小さな小料理店だけど高級感あって

結構美味しいらしいよ?」


「へー、どこ?」


「佐藤さん知ってるから佐藤さんと来て。

あ、佐々木さんもおいでよ。

月曜日の21時集合だから。」


「あー、行きたいけど

私子供いるしやめとくね。」


「あー、そっか。残念。

まぁ長曽我部さんは佐藤さんと来て。」


「美鈴は?」


「私はユリ姉と行くから。」


「ふーん、そ。」


「お酒も出るから佐藤さんの車できてね。」


「でもそれじゃ佐藤飲めねーじゃん。」


「かといって長曽我部さんの運転じゃ

佐藤さんも遠慮して飲めないし。

佐藤さんもそれでいいって言ってるから。」


「あ、そう。」