居場所をください。



━━━━━━━━━━━━━━・・・・

東京公演、1日目。


「おはようございます。」


昼に入るくせに、相変わらず"おはよう"という私。

それが1日の始まりっぽくて

私はいつも最初は"おはよう"から入る。


会場入りした私は

まずは長曽我部さんと会場ステージチェック。


ライトの当たり方や

映像の写り方、遠い席からの見やすさなど

自分自身でチェックするようにしてきた。


「花も届いてるよ。」


「花?」


「ファンとかからのスタンド花。

基本的に最終公演場所が一番多く届くんだよ。

こっち。」


私は長曽我部さんについていくと

会場入ってすぐのところに

たくさんの花を見つけた。


「明日もこうやって飾っとくよ。」


「へぇ…きれいだね。

すごいいっぱい。」


スタンド花には"五十嵐美鈴様"の下に

ほとんどの物が団体名らしきものが。


「この名前は?」


「ファン同士の集まりの名前っつーか。

ファン同士、仲良くなった者同士が

チームを組むんだよ。

チーム内で金を出しあって、

こういう花を送る。

これも万単位のものだから

一般人が個人で出すには少し高いしな。」


「へぇ、なるほどね…」