居場所をください。



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翌日ー

東京公演まで、あと2日


「ねー江口さん。」


「なに?」


今日もユリ姉と柔軟をしつつ、

私は江口さんのドラムを叩くところを見ていた。


「腕、触っていい?」


「はは、どうぞ。」


座ってる私のところへ

江口さんが来てくれた。


「うわ、すごーい。

ガッチガチ。」


「そりゃ2、3時間

ドラム叩きっぱなしだとこうなるよ。

俺だけじゃなくて

キーボードだってギターだってベースだって

もちろんダンサーだってそうだと思うよ。」


「えーそうかな?」


「ハルも瞬も陽も細く見えるけど

体はガッチガチだと思うけど。」


「まぁたっつんはそんな感じするけど。」


「筋肉なきゃ躍り続けられないし。

逆に躍り続けてんのになんであんな細いんだか。

まぁそれは美鈴ちゃんもだけどね。」


「私踊ってないもん。」


「走って踊って歌って、

美鈴ちゃんが一番体力いるよ。」


「えー、そうかな。」


「俺らは声出さないし

俺なんか特に動き回らないしね。

美鈴ちゃんの腹筋と肺活量が気になるよ。」


江口さんはそういって

またドラムのところへと戻ってった。