居場所をください。




とりあえず私は長曽我部さんから箱を受け取り

空き箱は佐藤さんへ。

きっと捨ててくれるはず。

家に持って帰ると捨てるの大変だからね。


で、CDを開けてまずは歌詞チェック。

沖野さんの歌詞はいつもすごくいいから。


「"ほら もう少しで空が落ちてくる

そのはずだったのに四角い箱が邪魔して

なかなか落ちてこないじゃない"

って……どういう意味?」


「俺が知るかよ。

まぁ空が落ちるって一般的には

この世の終わり、みたいなときに使う表現だな。」


「この世の終わり?」


それがサビ?たぶんサビだよね?

四角い箱が邪魔してこの世が終わらない…?


謎だ。


謎だけど、そんな深い歌詞もまた好きだ。


「なにかの終わりを待ち望んでるんじゃない?」


歌詞カードを見つめて悩んでる私に

佐藤さんが言った。


「終わりを待ち望んでる?」


「それなのになにかが邪魔して

なかなか終わってくれない、みたいな。」


「あー、そういうことか、なるほど。」


四角い箱って、もしかしてビルのこと……

つまり沖野さんの事務所のこと…?

事務所が反対して

引退したくてもなかなかできない

そういう意味が込められてるのかな……