居場所をください。




私とユリ姉がシャワーから出ると

しおりんと亜美ちゃんはもう出たあとで

その後、瞬たちもシャワーへ向かった。


「亜美、これポスターな。」


「ありがとうございます!

美鈴ちゃん、サインしてねー。」


亜美ちゃんは準備もよく

ペンも持ってきていた…。


「はいはい。

どこに書く~?」


「んー、どこでもいいけど」


どんだけ適当なの。


「でっかく書いてー!」


「はいはい。」


私は下の方に大きくサインを書いた。

こんな大きく書いたのは初めてかもしれない。


「ありがと!

彼氏も喜ぶよー。」


「どういたしまして。」


「で、俺宛に会社に宅配便を送りつけたのは

美鈴だろ。」


「え?

あ、そうそう!

長曽我部さん宛にしたんだよー。

私の名前だとファンレターたちに紛れちゃうかと思って。」


「で、なんだよこれ。」


「沖野さんの新曲~。

ネット予約してたの。

自宅だと受け取れるかわからないし、

宅配ボックスもないマンションだし、

なら会社に送ればいいやと思ったけど

私の名前じゃあれかなーと思って

わかりやすく長曽我部さんの名前借りたの。」


「ったく、さっき会社戻ったら

受付のやつに荷物が届いてるとか言われて

身に覚えねーしなにかと思ったわ。」


「無事届いてよかったよかった。

前回なかなか買えなかったからねー。」