居場所をください。




そしてやっと暗くなった頃

みんなお楽しみの花火タイム。

私と美優ちゃんは花火管理係だけど

みんなが楽しそうでよかった。


「昔もやったよね、花火。」


「もうすっごい前だよね。

私まだ5歳くらいのときじゃない?」


「そうそう。私が小4くらいのとき。」


「あの頃はここにいた人もこの半分くらいだったよね。」


「そうだね。

毎日みんなで遊んでたね。」


「あの頃はここが大好きだったなー。

毎日美優ちゃんにくっついてたよね、私。」


「そうそう。

美鈴、自分も幼稚園あるくせに

用意もせずに私が出てくの見送ってたしね。」


「私も可愛かったなー。」


「自分で言っちゃうんだね。」


「はは、いいじゃん。」


「美鈴は仕事順調?」


「うん、まぁ今はね。」


「今はって?」


「いつ落ちるかわかんない世界だしね。

とりあえず5年は落ちずにやってきたいよ。」


「まぁ落ちたってさ

あんたは女だし、結婚しちゃえばいいのよ。

彼氏、別れてないんでしょ?」


「はは、そりゃ彼氏も稼ぎがあればの話でしょ。

あの人今稼ぎなしだよ?

むりむり。」


「ま、今の彼氏じゃなくて

別の人でもいいけど

女なんて結婚しちゃえば

働かない選択もできるんだし。」


「まぁまだ子供な私にはわかんないよ。

落ちたとき考えとく。」