そのCMをなんとか乗り越え、
電車で30分、ようやく東京駅へとついた。
「とうほくしんかんせん!」
「東北新幹線?」
「あぁ、優輝が好きなやつだよ。」
「あ、そうなんだ。
じゃあ入場券買いに行こ。
優輝、手離しちゃダメだよ?」
「うん!」
うん、お利口。
かわいい。
「ねぇ、美鈴ちゃん。」
「ん?」
「さっきリビングに行ったら
みんながこれ、おもちゃ箱と一緒に
棚から落ちてきたって。」
そういって私に渡したのは1枚の写真。
きっと私がさっき取った時に一緒に落ちたのだろう。
「んー?
……………え…?」
ちょっと待って…?
これ……………
そこに写っていたのは
恐らく生まれたばかりの優輝。
写真の日付が優輝の誕生日だから。
そんな優輝を抱いてるのは………
「大橋かな…?」
まだ幼い、大橋かなだった。


