居場所をください。




「今週末の美鈴ちゃんのツアー最終日

小林と行くよー。」


「うん、おいでおいで~。

楽しいのかわかんないけど。」


「絶対楽しいよ!

スッゴい楽しみ。」


「はは、そっかぁ。

あ、電車きたよ。

優輝、動かないよ?」


「うん!」


はぁ、ほんとかわいい。

癒しだ。

こいつは絶対イケメンになるな。

可愛すぎる。


「さー乗るよー。

ちゃんと下見るんだよ?」


「うん!」


電車はそこそこ空いてて

優輝一人座る分はあってよかった。


「栞奈も座りなよ。

優輝抱けば座れるじゃん?」


「美鈴ちゃんは?」


「私はいいよ。

これも筋トレだと思って立ってる。」


「はは、そっか。

じゃあ座ろっかな。

優輝、おいで。」


で、栞奈は優輝を抱いて座ったんだけど……


「美鈴ちゃん!」


優輝が急に私の名前を呼んだけど

優輝は私を見ていない。


「優輝、どうしたの?」


そう栞奈が聞くと


「美鈴ちゃん!」


優輝は指を指した。

だからその方を見ると……


「……ほんとだ…」


電光掲示板の横にあるテレビに

私がやってる日焼け止めのCM……


「美鈴ちゃん!美鈴ちゃん!」


「ゆ、優輝、静かに。」


これじゃバレバレじゃないか……