居場所をください。




私は立ち上がって、とりあえず外に出て

会社からタクシーを呼んで

施設へと向かった。


「ただいまー。」


私がそういって中に入れば

すっかり大きくなった優輝が出迎えてくれた。


「あー、美鈴ちゃん!」


「優輝~、大きくなったね。」


優輝は最近2歳になって、

元気に走り回っている。


嬉しいことに、未就学児は今

優輝しかいないんだ。


「あら、おかえり。」


そこにママが来た。


「ただいま。」


私は優輝を抱き上げ、

家に上がった。


「美鈴、いいところに来てくれたわ!」


「……………はい?」


「ちょっとママ、これからお通夜いかなきゃなのよ。

小学生はもういるけど、中学生は部活だし

高校生組はもう少しかかるから

優輝をどうしようか悩んでたのよー。

ね、優輝を見ててくれない!?」


「えぇ!?」


「小学生組にはもう言ってあるし、

勝手にご飯も食べるし、

上級生たちが下級生を見てくれるから

優輝だけでいいのよ!ね!お願い!」


「……………仕方ないなぁ…」


「ありがとー!よかったぁ!」


「もう、ママの頼みならきくしかないもん。

で、何時にいくの?」


「もう着替えたら出るよ!」


「あ、じゃあこれ。

新曲。」


「あ、ありがと。」


ママは私からCDを受けとると部屋へ行ったから

私もリビングへと入った。