「こちらで少しお待ちください。」
「はい、ありがとうございます。」
私たちはAプロで言えば
会議室のようなところにつき、
スタッフさんは出ていった。
「矢島くん、人がよすぎるって
いいことだよね?」
「だけど逆を言えば
少しありがた迷惑なところがあったり
迷惑なのに断りにくかったりもすんじゃね?
自己満足のための優しさだったら
ただただめんどくせーよ。」
「え、そうなの?」
「といってもそんな噂聞かないし
いい人だ、って情報しか来ねーよ。
隼也も共演したことあるけど
すげー気が利くし、優しいし
嫌なところなんて見当たらない
って言ってたし。
だからそんな心配しなくていいだろ。」
「へー、なんだ。よかった。」
とりあえず変な人じゃないなら。
「……そういえば私
キスシーンとかないよね…?」
「原作読む限りではない。
そもそも矢島くんと一緒になるのかも
微妙だと思うけど。」
「そうなの?」
「原作読む限りじゃな。
話はもう美鈴が演じる役は
死んだあとの話だし。
キーポイントではあるけど
ほんと、ちょい役。」
「そっかぁ、ならよかった。
とりあえず。」


