居場所をください。




「佐藤さんは?」


「もう帰った。

美鈴も帰るしな。」


「あぁ、そっか。」


もう遅いもんね。


「じゃあ着替えてくる。」


私はそれだけいって楽屋に入った。

佐々木さんも当たり前だけどもういなくて

脱いだ服は番組スタッフにお願いして、

私も長曽我部さんと帰った。



「そうだ、これ。

美鈴の分な。2枚しかねーけど。」


「あぁ、別にいいよ。」


長曽我部さんから新曲を2枚受け取ったけど

どうせ渡す相手はママしかいないしね。


「ってかこんな遅くまで仕事したの

初めてだね。」


「美鈴も18になったしな。」


「でもまだ高校生じゃん?

いいの?」


「法律上は問題ない。

大抵は校則で禁止されてるけど

あの学校の校則でも深夜勤務は禁止されていないし

あとは親の同意とかもまぁ必要になるけど

美鈴の場合、戸籍上親無しで

実親はなんにも言わないわけだし

問題なし。

一高も基本的にバイト禁止だったろ?」


「うん、まぁ。

私は申請したからできてたけど。

まぁ隠れてやってる人も多いけどね。」


「ま、だから美鈴はもう深夜に

テレビに出ることもできるようになったわけ。」


「なるほどねー。」