「そういやこの前は北海道だったろ。」
「え、うん。
なんで?」
「この前颯太が土産持ってきたから。」
「えぇ!?北海道まで来たの?」
「まぁあいつの親父はパイロットだから
その航空会社なら安く乗れるらしいしな。
あいつの親父は国際線の機長だけど。」
「颯太は誰と来たの?」
「お前繋がりの友達がたくさんできたらしいけど。」
「へぇ、そっか。」
東京だけじゃないんだ。
「ってかさー、颯太って頭いいの?」
「まぁ基礎はできるし
やりゃできるタイプだな。」
「ふーん、なるほどね。」
「あいつは勉強もできるし
要領もよくて、社交性もあって
やりゃなんでもできんのに
今を一番大事にして生きてるな。
バカなやつ。」
「でも、ちょっと羨ましいでしょ。」
「いつまでもあいつみたいなガキでいられたら
人生楽しいだろうな。」
「先のことなんか考えずにね。
私なんか、将来のことばかり考えて
早く大人になりたくて
いざ、颯太みたいな子供になりたい
って思ったときにはもう引き返せなくて
私はもう大人になるしかないんだなって。
無邪気に笑って、自由で。
私も先のことなんか考えずに
今を一生懸命になれればいいのに。」
回りばかりを気にしなければならない大人は
息苦しくて、つまらない。


