居場所をください。




陽くんは瞬とユリ姉、

長曽我部さんに押されて

しぶしぶステージに出てきた。


「はい、陽くんでーす!」


陽くん推しの多いこの会場は

黄色い声援に包まれた。


「で、陽くん早速だけど

バク宙とかやってみてよ!」


『……まぁいいけど。』


「はい、じゃあたっつんとハル移動ー!」


私たちは端へと移動し、

真ん中には陽くんだけ。


こんな光景はじめてだ。


『もうやっていいの?』


「うん、いつでもどうぞー!」


私がそういうと

陽くんはマイクを置き、

少し助走をつけて、側転からのバク転からの

バク宙を披露した。


それはハルが前にやったものとは違って

きっと体操な技で、名前がありそうな

そんなやつ。


無知の私にはわからないけど。


「すごーい!」


それが率直な感想。


会場はもうキャーキャー言っててすごい。


「じゃあ俺は下がるから。」


陽くんは私に近づきそういったから


「陽くんでしたー!」


とりあえず締めといた。