居場所をください。




翌朝


私は早く起きて支度をし、ご飯も食べずに施設を出て

一人でファミレスへ向かった。


あそこじゃゆっくり契約書を読めないから。


私はそれから1時間かけて隅々まで読んで

契約書にサイン、捺印をした。


私はそのままご飯も食べて

学校へ向かった。


「美鈴おはよー!」


「おっはー。」


教室につくと夏音が駆け寄ってきた。


「あ、そうだ。

私、転校するんだよ。たぶん。」


「え!?美鈴が!?なんで!?」


「んー…引っ越すから?」


「やだ!美鈴と離れたくないよ!」


そう言って夏音は泣いてしまった。


「おい、五十嵐!

なに夏音ちゃん泣かせてんだよ!」


「うるさいよ!高橋には関係ないでしょ。」


「夏音ちゃんが泣いてたら大有りだよ!

夏音ちゃん、どうしたの?」


……………夏音にはずいぶんと優しいですね。


「高橋、くん…。

あの、ね…美鈴、転校しちゃうんだって…」


と夏音が泣きながらいった。



「は?転校?五十嵐が?」


「……………そうだけど。」


「嘘だろ?いつ!?」


「未定。」


「はぁ?なんだよそれ!」


「たぶん、今日明日くらいに引っ越すから

近々じゃない?」


「今日明日って…どんだけ急なんだよ!」


「昨日決まったんだから仕方ないでしょ。」


っていうか高橋には関係ないでしょ。ったく。


「夏音、会えなくなる訳じゃないし

引っ越すって言っても近くだと思うし

また遊べばいいじゃん。ね?」


「……………うん…」


可愛い女はこんなときまで可愛いなぁ…。