「ね!おねーさんなら絶対お客さん
たくさんつくからさー!」
「いや…遠慮しときますんで…」
あーもう!しつこい!うざい。
早くどっか行ってよ。
「お金稼げるよ?」
……別に要らない。
今も十分稼いでる。
「……………興味ない。」
「はい?」
「だから興味ない。
お金のために仕事するなんて絶対無理。
だいたい高校生相手にそんな誘いしていいと思ってんの?」
「なんだ、高校生か。
そんな夢ばかり言ってたって生きていけねーよ。
君みたいなバカっぽい子は
うちみたいな店じゃないと働くとこないよ?」
うわ、急に態度変わったよ。こわ。
どんな性格してんの。
……いや、長曽我部さんも
一番最初は優しかったな。
だんだんきつくなっていった。
スカウトする人はみんなそんなもんなのかな。
「悪いけど、こいつは俺のとこで
もう籍置いてあるから。
君の店には出せれないよ。
悪いね。」
「あ。長曽我部さん。」
「誰だテメェ。」
「俺らのボス。」
「や、大和さん!?」
あれ、知り合い?
しかもボスって長曽我部さんのこと?
「大地、あんまそういうことしてると
ここから追放されるぞ。
ついでにこいつ怖ぇから
その子は諦めとけ。」
大和さんという人がそういうと
さっきまで目の前にいたお兄さんは
どっかへ消えた。


