「それより俺んとこ飲みいかね?」
「行かねーよ。
こいつ未成年だし。」
「未成年!?
大人っぽいねー!」
「あれ?この子どっかで…」
「あ!確か歌手の…ウッ」
その瞬間、長曽我部さんが
このお兄さんの両頬を
片手で掴んだ。
「そんなでけー声でそれ以上言ったら
俺の拳が飛ぶけど。」
「わ、悪い…」
うわー、こういう長曽我部さん
初めて見るよ。
しかもこんな元ヤンみたいな相手に。
ちょっとみてるだけでも面白いかも。
長曽我部さんが友達としゃべってるなんて
かなりレアだよ。
「ねぇ!おねーさん!」
「わっ!びっくりした…」
今度は横から知らないお兄さんが話しかけてきた。
「ねぇ、ここら辺じゃ見かけないけど
どこの店でも働いてないよね?
よかったらうちの店で働かない?」
「や、あの…私まだ18なので…」
この至近距離はやばい。
バレそう。
私は咄嗟に下を向いた。
「大丈夫!18歳から働けるからさー!」
いやいや、絶対だめでしょ!
お酒出す店でしょ!
というか一緒に飲む店でしょ!
絶対だめだよ!


