散歩、といって出てきたけど
ここはもうネオン街。
すごいね。輝いてるよ。
これサングラスでもよかったよ。
私には眩しすぎる。
何より人の多さ。
今日水曜日だよ?
みんな明日仕事じゃないの?
「わたしこういうとこ初めて…」
ただ歩いてるだけなのに刺激が強い。
「まぁ美鈴にはまだ早いかもな。」
大人な街だね。
私みたいなガキにはちょっと。
「でも美鈴でも
見た目は浮いてないから大丈夫。」
「……それはどういう意味でしょう。」
「軽そうなギャル。」
「もー、私本当はそんなんじゃないのに。」
「初めてあった頃はもっと
幼くて、真面目そうだったもんな。」
「真面目そうじゃなくて真面目だったんです。」
……と言えるほど真面目ではないけど
世間一般では真面目な部類なはず。
それが今では金髪ギャルで、
露出多くて、ほんと軽そうだ。
「でもここは誰も他人の事なんか気にしてないのか
顔あげてても全然平気。」
「けどスカウトとかもいるから
俺から離れんなよ?」
「はーい。
ってスカウト?」
「あ、業界じゃなくて、夜の方。」
「そっちね、了解でーす。」


