私はそれから服を1着1着手に取り
広げてみてはたたんで、
早く着たくて仕方ない衝動にかられた。
「俺もごめんな。」
「え?」
「ちゃんと美鈴のこと考えてなくて。
無理させてごめんな。」
「そんなことないよ。
仕事好きだし。」
たまに、嫌になるときもあるけど。
長曽我部さんが見ててくれるから。
「……………明日は休むか。」
「え?」
「今週休みないだろ。
俺も休みだし、出掛けよ。」
「やだ。」
「え、なんで。」
「だって車臭いし。」
「……………たしかに。
じゃあたまには電車とタクシーで。」
「いいの?」
「ちゃんと隠せよ?」
「うん。
じゃあ行きたい!」
「決まりな。
明日はダンサーたちも休みにしておこう。
俺から連絡しとく。」
「うん。
でも私明日朝佐藤さんと病院行くけど。」
「なんで?」
「予約が入ってるから?」
「とりあえず俺もいくわ。」
「え、うん。まぁいいけど。」
「また薬?」
「ううん。まぁ経過報告みたいな。
最近は薬なくても眠れるの。
さっきはすぐ寝たくて飲んじゃったけど……
最近は30分くらいで眠れるよ。
アロマキャンドルとか使って。
だから最近は薬なし。
ただ薬は医者の指導通り使わないと
仕事に支障出たりしたら困るし
定期的に通って、どうしていくか決めてるの。」
「そっか。」


