それから、たくさん出てくる服たち。
「どんだけ買ってきたの。」
たからこんなに荷物が多いのか。
行きと帰りとで荷物の量違いすぎでしょ。
「まぁいいじゃん。」
「そりゃ私は全然いいけど。
こんなもらえて嬉しいし。」
自分のもちゃんと買ってきたのかな。
いつもいつも私のことばっかりで……
「……………さっきは怒っちゃってごめんね。」
長曽我部さんの気持ちも知らずに。
「いいよ。
美鈴がああやって怒ることほとんどないしな。
俺にはわがままいってもいいんだからな。」
「……うん。」
私は子供の頃からそう。
嫌われたくなくて、見放されたくなくて
常に手のかからない子供を演じてきた。
今でも見捨てられる怖さはあるけど……
少しずつ、ね。
「美鈴って弘希には
わがままいったりするよな。」
「弘希には見捨てられてもいいから。」
「……………そっか。」


