居場所をください。




で、結局いつも通り

3人で父さんち。


最近父さんと美鈴はセットで

父さんと二人で会うことはまずない気がする。


まぁ美鈴がいると楽しいからいいけど。

バカだから。


「出ました!!」


飯を食ったあとはジャンケン。

今日の風呂じゃんけんは俺が勝って俺が一番。

その次に美鈴が入って

とにかく風呂の長い父さんは最後。


「じゃあ俺入ってくるわ。」


よく1時間以上も入ってられるわ。


「半分あげる。」


「え?」


あぁ、パピコ。

なんか懐かしいな。


「サンキュ。」


俺が受けとると、

美鈴はパピコをくわえたまま

俺の座るソファへ座った。


「アイスとか食うんだな。」


「ソフトクリームはあるんだけど

アイスはこれが人生初。」


「は?まじで?」


「うん。

施設じゃまず出ないし、

高校生なってバイトしてたけど

アイスって食べる機会ないし

長曽我部さんと出会ってからは

痩せろ痩せろで食べられなかったから。」


「今はいいわけ?」


「今度は痩せすぎて2キロ増やさなきゃなの。

でも全然太れないからアイス。」


「意味わかんねーけど。」


「長曽我部さんがわざわざ

買ってくれたんだよ。

パピコなら弘希と分けて食えるなって。」


そういって嬉しそうにアイスを食う美鈴は

やっぱりガキだ。