「美鈴、出てくの?」
「和也…聞いてたの?」
「聞いてた。」
「出てくよ。」
「ふーん。」
やっと私はこいつから解放されるんだ。
私はもうこいつと体を重ねるのは絶対嫌なんだ。
「しかたねーな、藍子で我慢すっか。」
「最低ね。」
私はそれだけ言って部屋に戻った。
「美鈴、出てくんだってー?
やっと部屋独り占めできるー!
和也も独り占めできるし最高なんだけど。
ってか美鈴が歌手とかウケる~。
歌とか歌えんの?
本気でやってけるとか思ってんの?
売れなかったからって捨てられても
戻ってこないでよねー!!」
……………うらやましいくせに。
強がっちゃってバカみたい。


