居場所をください。




「ごめんね、お待たせ。」


「全然待ってないし!

帰ろっか。」


「うん。」


はぁ、楽しかったな。

本当、明日から頑張れる。

そう思わせてくれたあそこはまさに

夢の国だった。


「美鈴ちゃんのマンション近すぎ!

もうついちゃったし!」


「あはは、いいじゃん。

ハルんちってどの辺なの?」


「こっちきて。

……………あそこの白い家。」


「え、あそこ!?」


そこの角を曲がったすぐそこだった。


「本当に近所だね…」


「何かあったらすぐ呼んでよ!

すぐ来るから!走って!」


「はは、ありがと。

ハルは明日頑張って踊ってきてね!

私の横をとられないようにね。


じゃ、おやすみ。」


私はそう言い、ハルに背中を向けて

マンションへ入ろうとしたその時、


「……………ハル?」


後ろから私の体に絡まれた腕、

背中に感じるハルの体温。


ハルに抱き締められてると気づくのに

少し時間がかかった。