居場所をください。





「美鈴ちゃんってさ

彼氏のことどうなの?」


「どうなのって言われても…」


「ハル、それは聞いちゃダメなやつだろ。」


「わかってるんだけどさー

気になって。

美鈴ちゃんの心境っていうか。」


「私は前ほどもう思い出したりしないよ。

もう大丈夫。

過去は振り返らないよ。」


もう前しか見ない。

帰ってくることをここで願いながら

貴也の帰ってこれる居場所を守るだけ。


私にできることってそれしかないから。


「ほら、ハル。

早く食べないともらっちゃうよー?」


「え、え!ダメだし!

俺も食べよーっと!」