居場所をください。




「いらっしゃいませー。」


うん、やっぱこの時間は空いてる。

店員さんも一人しかいないや。


「三名様でよろしいですか?」


「はい。禁煙でー。」


たっつんもタバコは吸うのに

私の前では決して吸わない。

たっつんなりの思いやりなのか

長曽我部さんから圧がかかってるのかはわからないけど。



「こちらのお席へどうぞー。」


ほら、バレてない。


「お決まりになりましたら

お声がけください。」


「はいはーい。」


あの店員さんは絶対ハル目当てだ。

ハルばっが見てたし。うん。


ハルがイケメンなのは私も認めよう。



「で、どれする?」


「これ!」


「はやっ。」


「ハルはどうするー?」


「美鈴ちゃんと一緒の。」


「お前ら決めんの早いなぁ…」


「迷うよりいいでしょ。

すみませーん。」


ハルが手をあげて呼ぶから

さっきの店員さんも走ってやってくる。