「私なんかは0歳から施設だから
余計にどうってことないのかもしれない。
大きくなってから来る子もいるから
そういう子の方がきついと思うな。」
「じゃあ全国の施設の子たちに
一言お願いします。」
なんだそれ。
「んー、私に言わせれば
親がいないってことは
全然特別なことじゃないから
さっさとその現実を受け止めて、
それぞれ育ててくれてる親に
どんどん甘えなさい、かな。
で、施設出身だろうがなんだろうが
胸はって堂々と顔あげて生きていけ
って感じかな。」
「美鈴ちゃんが言うとやっぱ重みが違うね。」
「あとね、きっと絶対孤独な思いは
してると思うんだよね。
私もずっとそうだった。
生まれてすぐ施設に入れられて……
なんで生まれてきたの?って悩んだ時もあったし
心の拠り所がなくて、人に甘えられないくせに
誰かに甘えたくて、でも誰もいなくて……
だからね、一人じゃないよって。
絶対見ててくれてる人が一人はいるから。
私は施設を出てやっとそれがわかったの。
あー、私はいろんな人に支えられてたんだって。
で、今も違う人たちに支えられてる。
私はみんなに一人じゃないと教えてもらった。
だから孤独を感じるすべての人に
君は一人じゃないって伝えたいし、
みんなも誰かに伝えてほしいし
寂しさ感じてる人がいたら
ちゃんと支えてほしい。」
生まれてきたすべての人が
孤独を感じないように。


