「でもハルとたっつんじゃ
うるさそうだね。」
ユリ姉が二人を見て静かに言った。
「それはハルだけだな。」
たっつんがすごく真剣そうにそう言ったけど
きっとここにいる全員が
"いや、お前もだよ。"と心のなかで思っただろう。
佐藤さんまでもがたっつんを呆れた目で見ている。
「……………ごちそうさま。」
何とも言えない空気を破り、
私は立ち上がって楽屋へと戻った。
「美鈴ちゃん、枕あるよ。」
すかさず佐藤さんもついてきた。
「え、嘘。
準備いい~。」
「食べたあとはいつも横になってるの
知ってるしね。
ま、用意したのは長曽我部さんだけど。」
さすが。わかってらっしゃる。
楽屋につくなり、畳の上に座布団を並べ、
枕をおき、ブランケットまで出してくれる佐藤さん。
「はい、どーぞ。」
「ありがと。」
「じゃあ俺あっちにいるから
なにかあったら呼んでね。」
ほんと、いいマネージャーさんです。
こんなにしてくれて。


