居場所をください。




「おはようございます。

今日も一日お願いしまーす。」


私はそういってステージへと上がる。


「今日は時間がないから

要点だけまとめてやるから。

美鈴ちゃんは歌だけに絞ろう。

ダンスはもう完璧だから。」


「あ、じゃあちょっと声出してくる。」


変に喉痛めたくもないしね。


私は一回裏に戻って一人で声だし。

してたんだけど……


「佐藤さん、何撮ってるの?」


「最終日に使うダイジェストのための動画。」


そんなのもあるのか…。




20分ほどで私はステージへと戻った。


「美鈴ちゃん来たから

とりあえず一番最初をやろう!

あ、美鈴ちゃんマイクは?」


「あ、忘れてた。」


私は佐藤さんのところへ戻ってマイクを受け取り、

またステージへと戻ってきた。


「美鈴。」


「ん?」


そこへ長曽我部さんが来た。


「今マイクの音入れるから。

マイクの音入れると外へ音漏れするから

歌以外ではマイク通すなよ。

それと、外で聞いてるやつも多いから

なるべく本気で、でも力を抜けよ。」


難しいこというなぁ…。


「はい、スタンバイ!」


瞬がそういって、みんなはバタバタと動く。

私はセリで一度下へと戻る。