居場所をください。




「とりあえず明日は俺が6時に迎えいくから。」


「今日は長曽我部さんち泊まる。」


「またかよ。」


「美鈴ちゃんって長曽我部さんとデキてんの!?」


私の前には佐藤さんが座っていたから

普通に話していたら

通路の向こう側のハルが

私の声を拾ったらしく……………


「ハルうるせーよ。

しかも美鈴ちゃんは彼氏いるだろ。」


ハルの横に座るたっつんが突っ込んだのだった。


「だって今泊まるとか…!」


「そ、それは仕事がありすぎて

泊まり込みで仕事をするという意味で

佐藤さんも一緒だから!ね!?」


私は無理矢理佐藤さんも巻き込んだ。


「え、あ、うん。

そうだね。」


ごめんね、巻き込んでしまって。

私の不注意で。


「それに俺がこんなガキ相手にするかよ。」


「…こっちだっておじさんなんかお断りです!」


「誰がおじさんだよ。

俺はまだ若いっつーの。」


「もうすぐ30歳でしょ。

十分おじさんだし!

若いっていうのは佐藤さんみたいのを言うの!」


「お子ちゃまな美鈴にはまだわかんねーか。」


「私だってもうすぐ18です!」


「ガキじゃん。」


「ガキじゃない!」


私たちがやいやい言い合っていると

私の前から


「ほら、ハルのせいでまた言い合いになったろ。

変な発言は慎め。」


という声が聞こえてきた。



……………とりあえず誤魔化せたよね?


とアイコンタクトを送ると

長曽我部さんは少し微笑んで小さく頷いた。