それから私は佐藤さんに見送られ
長曽我部さんの部屋へと来た。
「俺は美鈴の考えてることに賛成だよ。」
パソコンの前に座った私に
長曽我部さんはポンと頭に手を乗せ、言った。
「素直に書けばいいんだよ。
美鈴の気持ちを。」
「……………そうだね。
私はもうひとりぼっちじゃないもんね。」
「なにも犠牲にしないで生きていくやつなんて
この世界のどこにもいねーよ。
みんななにかのためになにかを犠牲にして生きてる。
美鈴が下した判断に反対するやつはいない。」
「…ありがとね。」
私は素直に、自分の考えていることを
パソコンに打ち出した。


