居場所をください。




「……永田は美鈴ちゃんの近くで

ずっと美鈴ちゃんの頑張りを見てきたのに

本気でそう思ってんのか?」


私が下を見たまま何も言えなくなっていると

佐藤さんの声が聞こえた。


「佐藤さんは契約違反したのに

なんでまだマネージャーやってんですか?

なんで俺だけマネージャー落とされたんですか?

美鈴の兄貴が美鈴を潰そうとしてるやつを

近くに置きたくなかったから降格処分にしたんだろ。」


「やり方が気にくわないならやめればいい。

お前は自分の意思でここにいるんじゃねーの?

懇願でもされたのかよ。」


「………佐藤さん、いいよ。

仕方ないよ。行「社長に言ったんだよ。」


私の言葉を遮って永田さんが言った。


「社長に言った。

自分の娘だからってエコ贔屓しないでくださいって。」


「な…社長は関係ないじゃない!」


「でも社長は反論しなかった。

それどころか、俺にチャンスをくれた。」


「チャンス?」