居場所をください。




「あの子諦めたんじゃなかったの?」


「私もそう聞いてるけど…

……………でもかわいいし

アイドルにはいいと思ってたんだよね。」


歌手になりたかったなら

夢が叶ってよかったじゃん。


「あ、美鈴。」


そう気づいたのは夏音ではなく……


「え、永田さん!?」


前、私のマネージャーをしていた永田さんが

女の子達と会議室から出てきたのだ。


「……………またマネージャーになれたんだね?

よかったね。」


「……………美鈴さ、長曽我部さんの妹なんだってな。」


「え?」


「いつも美鈴の側にいるから

おかしいとは思ってたけどそういうことだったんだな。」


「……………贔屓してるって言いたいの?」


「それ他ないだろ。」


……………ショックだった。

デビューまでずっと一緒に頑張ってきた永田さんに

贔屓されてると即答されて。


私の頑張りは全然認められてなくて

私は何もいえなくなった。