「あの子は夢を見すぎなんだよ。
この世界はそんな煌びやかなところじゃないでしょ。
ライバルは多すぎるし、嘘も平気でつく。
簡単に見捨てられる。
美鈴ちゃんにだってこんなに無理をさせる。
スクール生とは全然違う。
そんな甘い世界じゃないってこと。」
「……………ふーん。」
「美鈴ちゃんもたまに嫌になるでしょ。」
「……………まぁないことはないよ。
嘘つかなきゃいけないときとかね。
偽ってばっかだなって。
だけどもう離れられなくなってるから。
たまにすごく嫌になることもあるけど
結局長曽我部さんの一番側にいたいんだよね、私。」
「美鈴ちゃんは歌手じゃなくなっても
長曽我部さんのそばにいられるでしょ?」
「そうかもしれないけど
でも私が頑張れてるのは
長曽我部さんのおかげだと思うから。
いつもそばで見ててくれるから。」
「そっか。」
そのあと、佐藤さんの言うとおり
夏音は長曽我部さんと話したあと
倉庫から出ていった。


