「来るなら来るって言えよ。」
それから一時間ほどで長曽我部さんが帰ってきた。
「どうした?急に。」
「……………うん。」
「なに、早くしねーと風呂行くけど。」
「……………あのね……」
私は今日の出来事を話した。
夏音がスクール生だったことも……
「ふーん、なるほどな。
まぁ確かに俺、スクール生は
飛び抜けてるやつしか覚えないわ。
切るやつは全員わからない。」
「……………なんかもう
はぁ……」
「でもお前だって簡単にここまできたわけじゃないだろ。
美鈴の歌は才能でもあるけど
それでもちゃんと努力してここまで来ただろ。
いろんなものを捨ててこの世界に来ただろ。
なにもかも欲しいものを手にしてるやつなんて
この世にはいねーよ。
もっと胸張ってろ。
贔屓されてここまで来たなんて
俺も父さんも貴也だって隼也だって
佐藤だって思ってねーよ。
自信持て。
いろんなもん犠牲にしてここまで来たんだろ。」
「……………うん。」
「今回はたまたま友達を犠牲にしただけだろ。」
「でも大事な友達だもん。」
「なら、こっちの世界を犠牲にするのか?」
「……………それはやだ。
私はここで頑張るって決めたもん。」
「ならもっと胸張ってろ。
俺らはちゃんとわかってるよ。」
「……………うん。」
「じゃ、俺は風呂行くわ。」
長曽我部さんが立ち上がったから
私もすかさず立ち上がり
長曽我部さんに抱きついた。


