「……どうしていつも美鈴ちゃんなの…。」
「……………え?」
「どうしていつもいつも
美鈴ちゃんばっかり大事にされるの!?」
「か、夏音…?」
「貴也くんだって、ずっとずっと
私の方が好きだった!
ずっと前から私の方が好きだった!
瑠樹くんだって、私の彼氏なのに
いっつも美鈴ちゃんのことばっかり。
颯太くんだって……」
「なに、俺のこと好きなの?」
「颯太は黙ってて。」
どんだけ空気読めないのさ。
「いっつも美鈴ちゃんばっかり大事にされる。
なんで美鈴ちゃんなの!?
私からも男も夢もとらないでよ!」
「……………夢?」
「私も歌手になりたかったの!ずっと!
小さい頃からずっと歌手になりたくて
貴也くんのことも好きで
貴也くんと仲良くなりたくてスクールに通い出したの。
高いレッスン代だって払ってた。
なのに私なんか全然デビューの話なんかこなくて
結局長曽我部さんに切られたの!
私はあの人のこと忘れたことなんかなかった。
なのにあの人は私のことなんか
全く覚えてなかった……………
みんないつだって美鈴ちゃんばっかり。
私なんか頑張ったってそこそこで……」
「夏音……」
「私はあんたなんかずっと大嫌いだった!」
夏音の悲痛の叫びが
胸にぐさりと刺さった。


