居場所をください。




「美鈴ちゃん、もうすぐ公開される映画

一緒に見に行かない~?」


私がご飯を注文したあと、颯太が聞いてきた。


「あー、ごめん。

私明日からはずっと忙しくて

全然休みないんだー。」


「えー!そんな忙しいの?」


「詳しくは言えないけどね。

CMのオーディションも受けなきゃだし

なんだかんだ休みがないんだよね。


でも時間できたら言うね?」


「うん!絶対だよ!」


颯太はいつも元気だねぇ。


「そういえば高橋、

ちゃんと夏音と話した~?」


「話した話した。

俺はそんなすぐ切り替えられねーからって。」


「つってもそんとき俺らもいたけどな。」


「え、なんで悠斗が?

もしかしてここにいるみんな?」


「私はいなかったけど。」


「俺も。」


……ってことは藍子と亜樹以外…?


「そんなヤンキーばっかいたら

夏音怖がるでしょ!」


「むしろそれ目的。

その方がもう俺と関わんねーかなーと思って。」


「最低。」


「好きでもないのにずっと俺と付き合ってたんだし

そのくらいしてもいいだろ、別に。」


「……なんか高橋冷めたね。」


「美鈴に冷めたとか言われたら

俺まじ終わるわー!」


「真剣に言ってるんですけどー。」


「まぁ瑠樹もまだ心傷者ってことだよ。」


悠斗がまとめた。