居場所をください。




「送るわ。」


「え、いいよ。

駅と反対方向だし。」


「いちいち遠慮すんなよ、めんどくせーな。」


「はぁ?なにそれ。」


「またナンパされたら困るだろ。

さっさと行くぞ。」


「……ありがと。

でもマンション知らないでしょ。」


「だから覚えるんだろ。

俺にも教えろよ。」


「ま、いいけどね。

こっち。」


夏音と別れたからかな。

前よりすごい親切だね。


それにしても夏音……

好きじゃなかったなんて……

あの嫉妬や涙は……………


「……高橋は夏音のこと、もういいの?」


「もういい。

なんつーか、ちょっとスッキリした。

やっと本音聞けたしな。

1年と数ヵ月だけど

高校生にしては長い方だし

ま、俺はちゃんと好きだったからいいよ。

俺しばらく女はいいわ。」


「変なギャルとは付き合わないでね。」


「美鈴みたいな?」


「はぁ?変でもなければギャルでもないし!」


「そう言いながらギャル誌の表紙飾ってるし

ギャルのカリスマと言われてるし。

どこがギャルじゃねーんだよ。」


「そんなん、偽ってるだけだし。

ギャル怖い。」


「俺はお前が一番怖い。」


「殴っていい?」


「いって!聞きながら殴んなよ!」