居場所をください。




「話、聞いたんだろ?」


一通り注文したところで

高橋から話を切り出した。


「うん、別れたんだって?」


「好きかどうかわからないとか

曖昧な表現してたけど

俺も前々から気づいてはいたんだよね。

本当は恋愛感情ないって。

気づいてて、気づかないふりして繋ぎ止めてたけど

あーついにこのときが来たかって感じ。」


「好きじゃないならどうしようもないもんね。」


「夏音になんか言われてきた?」


「友達に戻りたいって。」


「それは俺も思うけどさー。

いきなりは無理だろ。

俺はめっちゃ本気だったんだし。

そんなすぐに切り替えられねーって。」


「それ、夏音に言った?直接。」


「別れるときもメール。」


「なら一回会って話せばいいじゃん。

会って言いたいこといってきなよ。

会わないとわからないこともあるじゃん。」


「……どうせもうすぐ学校だし

ちゃんと話してくるよ。」


「うん。それがいいよ。」


「まぁ俺もともと夏音の親にも

好かれてなかったしなー。

兄貴とは仲良かったけど。」


「見た目ヤンキーだもんね。

ヤンキーっていうかギャル男化してるけど。」


会うたびに進化してるよ、この人。