居場所をください。




結局シャワーを浴び、

私は一人でラジオ局へと向かった。


「美鈴。」


タクシーを降りると長曽我部さんがいた。


「なんだ、来てくれたんだ。」


「まーな。」


よかった。

たったそれだけのことなのにほっとする。


「会社まで戻る時間はなかっただけ。

すぐ打ち合わせがあるから。」


「はーい。」


それにしてもずっとカメラ回ってるけど

これどのくらい使われるんだろ。


切られる方が多いのにそんなに撮るんだね……


「長曽我部さん、

あれいつまで撮るの?」


私は小声で聞いた。


「ラジオが終われば終わり。

最後の打ち合わせには来ない。」


よし、あと少しだ。

がんばろ。