居場所をください。




「やっぱり隼也くんとも仲良いんですね~。」


「いいですよ~。

芸能界ではじめての友達ですから。」


あくまで友達。

それ以上はないですよ。全然。


「美鈴ちゃん。」


私と隼也が話してる間に

佐藤さんは誰かと電話をしていて

電話が終わりいつもより少し慌ただしく話しかけてきた。


「なに?」


「ちょっと俺別のとこ

行かなきゃならなくなっちゃったから

一人で行ける?」


「うん。

でもレコーディングは?」


「長曽我部さんが迎えにいくよ。

ごめんね。」


「うん、わかったー。」


忙しい人は大変だねぇ。

……………って、私の他にも

誰かのマネジメントしてたっけ?


まぁいいや。


「少し時間もあるので

歩きでもいいですか?」


「大丈夫ですよ。」


私は密着スタッフさんと

歩いてレッスン場へ向かうことにした。