居場所をください。




「で、おいしい?」


「あぁ、まぁまぁ。」


「まぁまぁって。

素直においしいっていいなよ。

あ、そうだ。

今日亜樹んちにコーヒーおいてったし

よかったら飲んでね?」


「あぁ。」


美味しいのかよくわかんないけど。


「そういやお年玉もらったんだろ?

母さんから。

いくら入ってた?」


「あ、忘れてた。

バッグの中に入れっぱなしだよ。」


私は隣に置いてあったバッグから

ポチ袋を出した。


「しかも長曽我部さんからもらったやつも

そのままいれっぱなしだったし。」


「普通なら真っ先に開けるのにな。」


「ほんとだよね。

ってかこういうのって

一人でこっそり見るもんじゃない?」


「いとこなんだからいいんじゃねーの。」


「ま、それもそっか。

いくらでしょーか。」


私はおばさんからもらったポチ袋から

お金を出した。


「うわ、万札かよ。」


「しかも3枚…。

これ、絶対多すぎでしょ!

ってか間違えてない?」


「間違いならラッキーだな。」


「こんなにいいのかな…。」


「くれたんだからいいだろ。」


「これなら御年賀、もっと良いもの

贈ればよかったな…。」