居場所をください。




「今まで適当に生きてきたし

これからはできることは全力でやろうって決めたの。」


「なんで?」


「えー、その方が後悔ないし

貴也にも負けてられないしね。」


「なんでそこで彼氏?」


「貴也は中途半端なことが嫌いなの。

仕事もほとんどNG出さないみたいだし

カメラの前になるとすぐ切り替えて演じるし

セリフだって、いっつも必死に覚えてた。

今はお母さんのために仕事まで休んで。

戻ってきたときに、恥ずかしくないように

今のうちに努力しとくの。」


「ふーん。」


「はい、出来ました。」


「さんきゅ。

お前はスープだけなわけ?」


「お昼が高カロリーだったからねー。

夜はおさえないと。

いただきまーす。」


うん、おいしい。

貴也が戻ってくるまでは

進化とかいらない。


変わらない安心感は必要な気がするから。