「さてと、帰ろっか。」
「あ、今日私おごる~!」
「え、藍子が?」
「めっずらしー。」
「明日は嵐になるな。」
「ちょっと。みんなひどいんだけど。
いつもおごってもらってるから今日はお礼!
美鈴にお年玉ももらったし~。」
「え、美鈴がお年玉?」
「俺にもちょーだい。」
「なんで岳人はそんな疑うような目で見るの。
しかも悠斗にはあげないし。」
「バイト代も前回多かったし。」
「じゃあ大人しく藍子におごってもらおうかな。」
「そうだな。たまにはいいな。」
「ゴチになりまーす!」
私たちは部屋を出た。
「お前、また一人で帰んの?」
亜樹が隣に来て言った。
「今日午前中走りすぎて疲れたから
大人しくタクシー拾うよ。」
「そ。」
ってことで今日は一人で帰ります、私。
いっつも亜樹に送らせてたしね。


