電話を切って部屋に戻ると
悠斗が歌っていた。
「悠斗めっちゃうまいじゃん。」
「ね。
そのあととか俺まじ歌いにくい。
悠斗のあとで美鈴ちゃんの前とか
俺の下手さが際立つ。」
「はは、そんなことないよ。」
「あ、次美鈴ちゃんが入れなよ。」
「うん、ありがと。
なにしよ。
颯太は私の曲、どれが一番好き?」
「曲なら1st dayだけど、
MVならLOVE。」
「へぇ、そうなんだ。」
なら1st dayにしよっかな。
私は自分の名前で検索して、入れた。
「え、え!?いいの!?」
予約送信すると画面に表示されるから
悠斗が歌ってるのに大声を出す颯太。
「うん、カラオケならいいってさ。
まぁカラオケもちゃんとお金入ってくるしね。」
私にはちょっとしか入らないけど。
「俺の歌消して美鈴ちゃんの曲先にしたい。」
「だめ。颯太の歌も聴きたいし。」
「ムービー撮りたい。」
「だめ。」
「ちぇー。
あー、早く悠斗の歌終わんないかな。」
「ちょっとひどいよ。」


