居場所をください。




そして藍子が歌い終わった。


「普通にうまいじゃん。」


「美鈴に言われても嬉しくない。」


「は?なんで?

素直に喜びなよ。」


「お世辞にしか聞こえない。」


「なにそれ。

ってかはちみつレモン一口ちょーだい。」


「ん。」


はちみつレモンなんて、私が今頃はなかった。

新作だね。


「あ、おいしー。いいなー。

ありがと。」


ジュースなんてなかなか飲めないし。

たまには飲みたい。


藍子の次は岳人。

で、亜樹にデンモクが渡っていた。


亜樹の歌とか気になる。

歌とか歌うんだ。


「ねぇ、美鈴ちゃん。」


「ん?」


「ライブとかやる?」


「うん、やるよ。

もうすぐ発表があるから待ってて。」


「じゃあ金貯めとかなきゃー!」


「颯太はいつも悠斗と来るの?」


「うん。

でもなんか最近美鈴ちゃん繋がりで

友達が出来たんだよー。男だけど。」


「へぇ、そうなんだ。」


「だから次はその友達と行こっかなー。

悠斗、俺が金出さないと来ないから。」


「え、そうなの?

ならチケットあげるのに。」


「それはすげー嬉しいけど

ファンとしてそれはだめ!

自分で取って、自分の金で行くの。」


「そっか、ありがとね。」